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<リフォーム事例紹介①>アパートの腐食した鉄骨外階段の補修

創業から60年を数える内田鉄工株式会社では新築の大型物件以外にも、一般のお客様のお困りごとやご相談にも幅広く対応しております。

そこで今回から不定期に、新築の建物ではなく既存建物の補修や修繕といったリフォームについてもご紹介させていただこうと思います。

早速今回ご紹介させていただくのは、とあるアパートのオーナー様からご相談いただいた鉄骨外階段の補修ケースです。

 

<目次>

      1. 鉄骨階段の現況
      2. 既存踏板の上から新規踏板の設置
      3. 緊急事態発生
      4. 膨らんだ柱の隣に新たな柱の増設
      5. 鉄骨とモルタルの間に水侵入防止用のコーキング処理
      6. おわりに

 

 

昨今の鉄骨造の建物では、屋外の雨ざらしになる部分に関してはほぼ100%溶融亜鉛メッキ仕上げとするのが定番ですが、昔作られた建物の中には塗装仕上げとなっているものが少なくありません。塗装は経年による剥がれや、塗膜内側への水の侵入による錆が生じやすく、メッキ仕上げに比べると腐食しやすくなってしまいます。

数年おきに小まめに補修や錆止め塗装を行っていれば多少はもつのかもしれませんが、錆や腐食による老朽化は避けられないものです。

今回の物件も、そんな塗装仕上げの屋外階段となっています。

まずは現況から見ていただきましょう。

 

1.鉄骨階段の現況

こちらが今回ご依頼いただいた鉄骨階段です。

近年別業者にて補修工事を行ったようで、塗装の剥げも少なくパッと見には違和感なく見えます。

ところが近づいてよく見てみると、階段の踏板を受けているl型アングル材が腐食して波打っているのがわかります。

ササラには何やら気になるテープが貼られていますが……

ご覧のとおり、完全に錆びて朽ちてしまっているのがわかります。

踏板を受けるl型アングル材とササラとの溶接部に雨水が浸透し、穴が開いてしまったようです。

つまり踏板にかかる加重を100%受ける事ができていない、という状況です。最悪の場合、上に乗った人ごと踏板が崩れて転落……などという重大事故につながりかねません。

この階段は踏板の代わりにU字型の溝形鋼を使い、その凹部にモルタルを流し込んだ昔ながらの構造をしています。

作った当初は強固ですが、年月を経てモルタルにヒビが入ったり、鉄部との間にすき間ができると雨水が溜まりやすく、どうしても腐食しやすくなってしまいます。

さらに他にも気になる点が……

奥の柱に比べ、手前の柱がパンパンに膨らんているのがおわかりいだたけるでしょうか?

内部にたっぷり水が溜まってしまっている証拠です。

鋼管の中に入り込んだ水は内側から錆を発生させます。

少しずつ少しずつ錆びて薄くなっていった鉄の柱が、冬になると凍結して膨張する氷の力によって膨らみ、こんな風に変形してしまうのです。

こうなってしまうと本来の強度が期待できないのは言うまでもありません。放っておけばいずれ穴が開いて、倒れてしまう事でしょう。

 

そこで、下記の通り修繕内容をまとめました。

 

   ①既存踏板の上から新規踏板の設置

   ②膨らんだ柱の隣に新たな柱の増設

   ③鉄骨とモルタルの間に水侵入防止用のコーキング処理

 

それでは一つずつ実際の修繕の様子をご紹介していきましょう。

 

2.既存踏板の上から新規踏板の設置

既存の踏板を全て撤去して新たな踏板を設置する、という案も検討したのですが、ササラ板の腐食が進んでいるため撤去→新規溶接の負荷には耐えられないと判断しました。

しかしながら、そこまでするのであればいっそ階段そのものをそっくり作り直した方が早い、という点も無視できません。費用も多くかかります。

また、作り変えとなるとその間昇り降りができなくなる、という現実的な問題もありました。アパートに居住者がいる以上、一日とて階段がない状況を作るわけにはいきません。

 

そこでできる限り費用と手間を抑え、作業時間的にも短く済ませられるよう、既存の踏板の上から新たな踏板を被せる、という方法をとる事にしました。

まず手始めに、上から被せる鉄板を製作します。

弊社では鉄板の切断・曲げも自社工場にて対応可能ですから、スピード感を持って進める事ができます。

さらに現場に運ぶ前に塗装。溶接に支障の出る両端部のみ無塗装のままとします。

完成したZ型の鉄板を、既存踏板の上に被せるような形で設置・溶接。

下に隠れたモルタル製の既存踏板を雨水からカバーしつつ、人が登り降りする際の加重がかかる事も防ぎます。

ちなみに中央部だけ先に塗装を施したのは現場での塗装作業を簡素化する狙いもありますが、設置した直後から登り降りが可能になるよう配慮した結果でもあります。

現地で全塗装となると、乾くまで最低半日程度は立入禁止になってしまいますので。

 

3.緊急事態発生

全ての踏板を被せて溶接した後は、塗装すればほぼ完成になるのですが……作業中に新たな問題が発覚しました。

それはこの踊り場部分。

ここも他の部分同様、上から新たに踏板を被せて設置する予定だったのですが、思いの他腐食が激しい事が発覚したのです。

モルタル部は完全に”載っているだけ”という状況で、どかしてみると鉄板は錆びだらけ。

この際モルタルも鉄板も全て撤去し、新たに補強を施す事にしました。

外してしまった踊り場の部分に

新たに床の受け材となるL字アングル材を設置します。

この際、柱の上部もこれ以上水が入らないよう塞いでしまいました。

その上に鉄板を被せて、改めて溶接を施します。

結果的にこの踊り場が一番頑丈に生まれ変わったと言えるかもしれません。

このように、補修・修繕工事には実際に手をつけて見なければわからない問題が付きものですので、臨機応変に対応させていただく事もしばしばです。

 

4.膨らんだ柱の隣に新たな柱の増設

画面奥が膨らんでしまった柱ですが、これを撤去して新たに設置するとなると、クレーンやその他大がかりな手間や設備が必要となってしまいます。

そこで手前側と同じように、柱の奥にもう一本新たな柱を増設しました。

実はこの階段、柱の上に踊り場の床が直接載るような不思議な構造をしていたのですが、新たな柱にケラバそのものを支えさせる事で、しっかりとした強度を担保する事ができるようになりました。

 

5.鉄骨とモルタルの間に水侵入防止用のコーキング処理

そして塗装に移る前に、鉄骨とモルタル等の隙間にコーキング処理を施します。

前述した様に、こういった隙間から侵入する水こそが錆や腐食の原因となりますので、極力隙間をふさいでしまいます。

新たに設置した踏板との隙間はもちろん……

既存の鉄骨とモルタルの間も念入りに塞いでいきます。

そうして裏表塗装を施して、完成となります。

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だいぶ見違えたのではないでしょうか。

オーナー様はもちろん、居住者の方からも「見違えるように綺麗になった」「以前はなんだか昇り降りするのが怖かったけど、すごく足元がしっかりしたような感じがする」とお喜びの声をいただきました。

 

6.おわりに

創業60年を数える内田鉄工株式会社では、千トンを超えるような大きな建物から、一般の住宅・アパート等の補修、金物工事まで様々な工事を承っております。

特にこうしたアパートの屋外階段やバルコニー等々の老朽化・腐食に頭を悩ませるオーナーの方も少なくないようです。

弊社では長年鉄骨工事を行ってきた経験とノウハウを活かし、できる限り今現状の部材を活かし、費用と手間を抑える形で補修・修繕を行う事も可能です。

鉄骨の階段やバルコニー、ベランダ等の補修・修繕にお困りの方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。

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